エンタメGETsおまとめ お気に入り
追加
田中裕二、結婚後に驚いた妻・山口もえの“習慣”「紅茶を入れてあげようとしたら怒られた」

 働きながら子育てに奮闘する日常をテーマにした「オリックス 働くパパママ川柳」の入賞作品が発表された。特別審査員として最終審査に参加したお笑いコンビ「爆笑問題」の田中裕二さん(54)は、妻でタレントの山口もえさんと小学5年生、2年生、1歳(年齢は今年3月の取材当時)の3人の子育てに「毎日毎日綱渡り」で奮闘中。だからこそ「クスッとでも、ニヤッとでも笑っていられる方が良い」と語る。働くパパとしての日常や、仕事とプライベートのやりくり、世代間の意識の差についても聞いた。



*  *  *
――子育てのルールや気をつけていることなどあれば教えてください。

 ルールは特にありませんが、仕事でどんなに遅く帰ってきても、朝は必ず起きて、顔を見るようにはしていますね。1人はまだ赤ちゃんなので、ママは赤ちゃんが起きているとそっちにかかりきりになります。朝は僕が小学5年生と2年生の子たちを起こして、「何食べるの?」と聞いて朝食を準備しています。朝が弱い子もいるので、起こす作業も必要なんですよ。そして7:50には学校に行く子たちを「行ってらっしゃい」と見送り、下の子を保育園に送り届けて、仕事に行っています。

――山口もえさんが仕事に本格復帰されて1年近くになりますが、家事の分担はどうしていますか。

 復帰したとはいえ、ものすごいペースで仕事をしているわけではないんですが、今日はどっちが保育園の迎えに行けるのかを相談しながら、何とかお互いの仕事をやりくりしていて、毎日毎日綱渡りです。今日は僕がこの後、保育園に迎えに行くんですが、子どもが「パパー!」って嬉しそうに走って来るのがとっても幸せな瞬間ですね。

――夫婦ともに芸能の仕事をされていると、時間の調整が大変そうですね……。

 そうですね、時間が決まった仕事じゃないので、今日は早いとか遅いとかお互いにあるんですよ。「やばいどうしよう、この日はどっちも行けない!」ってことももちろんあるし、スケジュールがわかったら調整して、本当にその日その日でやっている感じです。

 それでも急に仕事の時間が変わったり、終わる時間が遅くなったりしますし、保育園のお迎えの時間はちょっと幅を広げて「○時〜○時までに行きます」と書かせてもらっています。

――お子さんとはどんな関係なのでしょうか。

 上の子は11歳、小学5年生ですね。反抗期みたいにずっと口を利いてくれないことはないのですが、たまたま眠いとかお腹が空いているとかで子どもは気分がコロコロ変わるので、機嫌が悪いと口をきいてくれないこともあります。でも「今日はこの後、仕事?」って聞かれて、「今日は(家に)いるよ」って言うとちょっとうれしそうな顔していたりすることは全然あるので、まだ虐げられてはいないです(笑)。でも「パパ、枕臭い!」って言い出しているので、時間の問題ですが……。

 放っておくといつまでもユーチューブを見たりしちゃうし、真ん中の7歳の男の子はゲームばかりで、それでいつもママに怒られて……。そんな毎日です(笑)

――では一番下の子は? イヤイヤ期が始まる頃でしょうか。

 もうそうですね。靴下は履かない、靴も「これ、ちがう」、上着も「やだ」っていうのが始まってますね。毎朝、保育園に連れて行く前は大騒ぎですよ。「ママー!」って大泣き! でも一歩外にでるとケロッとして、泣くのは10秒ぐらいなのでもう慣れました。

 上の子たちが小学5年生と2年生なので、子育ての“戦力”になってくれるときもあります。特に上のお姉ちゃんはお母さんモードな日もあるんですが、そこはまだ子どもなので、自分がやりたいことを見つけちゃうとそっちに夢中になっちゃう。自分が抱っこしたいと言っていたのに、「パパちょっと見てて」とか(笑)。

――そうなんですね。先日、山口もえさんが田中さんについて「家事貢献度30%、育児貢献度60%」と評価されていましたね。

 厳しいですよー。僕は料理ができないので、ゴミ捨てや洗濯、洗い物とかできることはそこそこやっている感覚ではあるんですが……。

 どの家もそうだと思いますが、家事に関しては奥さんが監督みたいなもので、良かれと思ってやったことが逆にダメだったということもしょっちゅうあります。育った環境も性格も違う別の人間ですから、奥さんの中にあるルール通りにできるわけがないんですが、そういうことが査定に響いていくというか……(笑)。

――互いのやり方をすり合わせるのは意外と時間がかかりますよね。びっくりされたルールもありましたか?

 たくさんありますよ。例えば、結婚して最初のころは洗濯物の干し方でも、「シャツは一番上のボタンをちゃんと締めないと」とか、「ポロシャツは襟を立てて」とか。それまでの人生でシャツの干し方をそんなに考えたこと無かったですから。

 食品保存用バッグのたたみ方は、すごく怒られましたね。何も考えずにしまおうとしたら「空気が入ってる」って。空気を抜かないと、かさばるんだそうです。

 あと、紅茶を入れてあげようとしたら、ティーバッグをピッピッと揺らしたことに怒られました。そのままそっと置いておくんだそうです。完全に奥さんがルールブックですから、厳しいですよ(笑)

――その一方で、育児貢献度は60%と高評価でした!

 良かったです。家事と子育てって、一方がやれてないことをもう一方がやるだけで、僕は切り離せないものだと思っているんですが。毎朝起きて上の子2人を見送り、下の子を保育園に連れて行く、おむつは気付いたほうが替えるとか、上の2人を習い事に連れて行くとか、できる範囲ではやっています。

 とにかく毎日毎日あっという間なので、昔の写真を見て「うわ、1年前はこんなに小さかった!?」と思うことがあります。上の子たちは少しずつお兄さん、お姉さんになってきていますが、成長は右肩上がりの直線のグラフじゃなくてジグザグ。ときどき、こんなの幼稚園児だろ!って思うようなことやったりするんですよね。

 例えば、一番上のお姉ちゃんはママの真似をして「電気付けっぱなし! 誰!?」、「パパ、いつもだよ!」って言ったかと思えば、夜の暗いリビングが怖くて「パパ〜、一緒に来て」ってお願いされたりとか。同じ子なのにそんな一面があったりして、全部ひっくるめてかわいいなと思いますよね。

 下の子は7歳ですけど、本当に1歳の妹をライバル視するぐらい「ママ、ママ」ですから。それでも習い事の発表会に「パパ、来られるの?」って気にしていたり、かわいいです。

――子どもたちとの向き合い方で心がけていることはありますか?

 特に気をつけていることは無いんですが、自然体でいることですかね。わざとらくし気を引こうとして「今日どうだったの〜?」って聞いても、子どもにはバレますから、「うるさい」「知らない」ってそっけなくなっちゃう。言いたくなきゃ言わなくていい、というぐらい自然体でいいと思っています。

――忙しい毎日の中で、ついイラっとしちゃう人もいると思います。笑いのスイッチに切り替えるコツがあれば教えてください。

 感情的になってしまうことは、日々ありますよ。お笑いの人間だからって、家でもずっと面白いわけでもないし、どの職業の人でも同じだと思うんです。性格とかもあるでしょうけど。

 僕はなるべく感情的にならないように、距離が近くなりすぎないようにしています。相手は子どもだから、ときどきとんでもないことを言ったりするんですが、同じ土俵に上がっちゃうと傷ついちゃったりします。でもそれは「子どもだから言ってるんだ」って自分に言い聞かせるしかないし、それこそ川柳みたいなものも、間にクッションを挟んでくれるので良いですよね。そのうちに親も(対応に)慣れていくし、子どもがわかってくるようになると思います。

――特に男性が育児をしようとすると、職場では付き合いが悪いと思われることがあったりします。芸能界の付き合いや飲み会とはどのようにバランスを取っていますか。

 いわゆる会社員の方とはまた違うでしょうけど、僕はお酒をまったく飲まないので、もともと飲みに行くということが無いんですよね。打ち上げや新年会、すごく親しい人の誕生日会とかでたまにはあるんですが、例えば、テレビの収録が終わって「この後、飲みに行こうぜ!」ってことは無くて、毎日そのまままっすぐ帰ります。仕事が夜中に終わることもあるので、帰ったら家は真っ暗で家族みんなが寝ているということも当然ありますけど。

 それが会社員の方だと、半分仕事みたいな感じで上司に誘われたりとかあると思うので、逆にどうやってるんだろう……。みんな大変ですよね。

 奥さん(山口もえさん)はもともと僕がそういう感じだとわかって結婚しています。ケースバイケースでしょうけど、例えば若いうちに結婚されて、仕事で出世して立場が変わっていくということもある。お互いの仕事のルーティンや職種への理解は必要だと思うんですよね。

――職場では世代によって考え方の違いもありますよね。

 そうですね、時代は完全に過渡期。でも上司の世代は子育てをしてこなかったのが当たり前で、しょうがないんですよ。正論をぶつけたって、それぞれの正論が違うからただ対立するばっかりだし、ごまかしごまかしやるしかないと思うんです。お互いがその時代の生き方を理解し合うしかない。

 いまパワハラやセクハラが大きな問題になっているのも同じことで、無理もないんですよ。もちろん、昔の運動部でされていた体罰のような指導が間違っていたのは明らかだし、ちゃんと変えていかなきゃいけないわけですが、そういう人生を歩んできて、当時はそれが正しかったのに、急にガラッと変わるというのも難しい。それを若い人たちが一方的に叩いても、可愛そうな面もあると思います。時代が変わっている最中だから。逆もそうです。

 ちょっと怒ったらパワハラだってなるのも行き過ぎているし、過剰なクレームみたいなことばかりになってしまうのも良くないし、そこは本当に難しいなと思います。

――そんな過渡期に、人前に立つ仕事は大変ですね。

 家族に関することでも、難癖つけようと思えば付けられてしまうし、あえて違う解釈をして叩くみたいなことも実際にあるわけです。僕はSNSをやっていませんが、子どもと公園で花の蜜を吸ったっていう投稿が窃盗だ、器物損壊だって言われちゃう時代です。ほのぼのとしたエピソードだと思って投稿したはずなのに、批判されちゃうのはどう考えても間違っていると思うんです。でも子どもたちはそういう時代に育っていくわけで、すごく心配ですね。

 だからこそお笑いや川柳のような、ちょっと毒があるものは本当に大事だなと思うんです。ちょっと笑える、共感できる。そういうことがあるから、精神的に健全な方向にいくと僕は思っているんですよね。何でも悪い方に取るという世の中なので、皮肉や自虐という手法が、ともするといじめや差別とつなげたがる人もいたりします。それが行き過ぎると、人々は何もしゃべることができなくなっちゃう。

 洒落を許容するのは大事なことだと思っています。クスッとでも、ニヤッとでも笑っていられることを、お笑いをやる我々はもちろん考えますが、怒ることより笑うことが多い世の中が良いですよね。結局はみんなが笑っていったら、幸せなのは変わらないですから。

(聞き手/AERA dot.編集部・金城珠代)